吹田市江坂のいしかわクリニック、内科、消化器内科、胃・大腸内視鏡、肛門科
     
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お腹に来る風邪(感染性胃腸炎)の原因と今すぐできる対処法

吹田市 江坂にある【いしかわクリニック】です。
「風邪をひいたけれど、いつもの喉の痛みや鼻水だけでなく、お腹の痛みや下痢も出てきた…」こんな症状が現れた場合、
実はお腹の風邪(感染性胃腸炎)かもしれません。
今回は、風邪による腹痛や下痢の原因や、感染性胃腸炎と非感染性胃腸炎の違い、
さらに症状が悪化する前にできる自宅での対処法をわかりやすく解説します。

感染性胃腸炎(お腹の風邪)の主な原因と見極め方

腹痛の女性

風邪でも腹痛・下痢が出る理由

風邪の症状には、鼻水や喉の痛みといった上気道の症状が一般的ですが、実は風邪を引いた時に腹痛や下痢が出ることもあります。
風邪を引き起こすウイルスは、上気道だけでなく消化器系にも影響を与えることがあります。
これらのウイルスが腸に感染すると、腹痛や下痢を引き起こすことがあります。
このような症状は、いわゆる「お腹の風邪」と呼ばれ、風邪の一部として捉えることができます。

 

感染性胃腸炎の主な原因

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌によって引き起こされる腹部の感染症です。
最も一般的な原因となるウイルスはノロウイルスやロタウイルスで、これらは感染力が強く、特に冬季に流行します。
細菌による感染も多く、カンピロバクターやサルモネラなどの病原菌が原因となり、食べ物や水を介して感染します。
感染した場合、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などの症状が現れます。

 

非感染性胃腸炎の腹痛

非感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌ではなく、他の原因によって腸が炎症を起こす場合を指します。
代表的な原因には、食べ過ぎや飲み過ぎ、刺激物や脂っこい食事、過度のストレスなどがあります。
これらが腸に負担をかけ、腹痛や不快感を引き起こします。
感染症とは異なり、非感染性の胃腸炎は家庭内での感染拡大はありません。

 

食中毒との違い

食中毒は、食べ物に含まれる細菌やウイルス、またはその毒素によって引き起こされる胃腸炎です。
症状は急激に現れ、食べたものが原因となることが多いです。
例えば、生肉や生魚、調理が不十分な食品に含まれる細菌(サルモネラやカンピロバクターなど)が原因となります。
食中毒の症状は、腹痛や下痢だけでなく、吐き気や嘔吐も伴うことが多いです。
また、食中毒の場合、症状は通常、食後数時間~数日以内に発症します。

 

インフルエンザ、コロナウイルスとの違い

インフルエンザやコロナウイルスは、風邪や胃腸炎と症状が似ていることがありますが、腹痛や下痢を主な症状として挙げることは少なく、一般的には発熱、喉の痛み、咳などが特徴です。
しかし、近年ではコロナウイルス感染症(COVID-19)の一部の患者様において、胃腸症状(下痢や腹痛)が現れることもあります。
インフルエンザやコロナウイルスによる胃腸症状は、咳や息切れと一緒に現れることが多いため、単独で腹痛や下痢が続く場合は感染性胃腸炎の可能性が高いと言えます。

 

感染性胃腸炎(お腹の風邪)の症状と経過の目安

ここでは、感染性胃腸炎の代表的な症状や、回復までの経過日数についてご紹介します。
症状の進行具合を理解することで、どのタイミングで受診が必要かの判断材料にもなります。

 

感染性胃腸炎(お腹の風邪)の代表的な症状

感染性胃腸炎の主な症状は、腹痛、下痢、嘔吐、発熱などです。
これらの症状は、ウイルスや細菌が腸内に感染することで引き起こされます。
腹痛は鈍痛から激しい痛みまでさまざまで、下痢は水様便が続くことがあります。
嘔吐や発熱も一般的に見られ、体調が急激に悪化することが多いです。
症状は数日間続くことが一般的で、これらの症状が同時に現れることが特徴です。

 

潜伏期間と回復の一般的な日数

感染性胃腸炎の潜伏期間は、ウイルスや細菌によって異なりますが、一般的には1日~3日程度です。
回復にかかる日数は、ウイルスや菌の種類、個人の体調によって異なりますが、ほとんどの場合は3日~7日で症状が治まります。
ただし、高齢者や免疫力が低い人、乳幼児などは回復が遅くなることがあるため注意が必要です。

 

今日からできる自宅ケア|水分・食事・市販薬のコツ

水分補給

感染性胃腸炎(お腹の風邪)の症状が出た場合、早い段階で適切な自宅ケアを行うことが回復を早め、症状の悪化を防ぐことに繋がります。
今日からできる自宅ケアのコツを具体的にご紹介します。

 

こまめな水分補給

下痢や嘔吐が続くと、体内の水分と電解質が失われやすくなります。
これにより脱水症状が起こるリスクが高まるため、こまめな水分補給が非常に重要です。特に、経口補水液やスポーツドリンクをおすすめしています。
水分を一度に大量に摂るのではなく、少量を頻繁に摂取することがポイントです。
症状がひどい場合は、1時間に200ml程度の水分補給を目安にすると良いでしょう。
自宅でできる応急処置として、経口補水液(ORS)を使うと効果的です。

 

体調に合わせた食事

食事については、軽めの食事を心がけ、腸に優しいものを選ぶことが大切です。
重湯やおかゆなど、消化に良い食事から始めると良いでしょう。
その後、症状が軽くなってきたら、うどんやおかず(鶏肉や野菜スープ)などに進みます。
逆に、脂っこい食べ物や刺激物(香辛料、アルコール)は腸に負担をかけるため避けるべきです。
食べる量は少しずつ、無理せず、腸に負担をかけないよう心がけましょう。

 

下痢止め・整腸剤・解熱鎮痛薬の考え方

下痢止めや整腸剤、市販薬の使用については慎重に考える必要があります。
下痢止めは、ウイルスや細菌が腸内から排出される過程を妨げるため、基本的には使用しないことをおすすめします。
しかし、頻繁な下痢が生活に支障をきたす場合には使用できるケースもありますので、ご相談ください。
整腸剤は腸内環境を整える役割を果たしますが、過度に依存することなく、症状が落ち着くまでは控えめに使用しましょう。
解熱鎮痛薬は、発熱や痛みの緩和には効果的ですが、胃腸に負担をかける可能性があるため、使用は慎重に行いましょう。

 

早めの受診が必要なケース

感染性胃腸炎(お腹の風邪)の症状が現れた場合、初期の段階で適切な判断をすることが重要です。
多くの症状は自宅でのケアで改善しますが、時には早めに受診が必要な場合もあります。
自宅で様子見を続けるべきか、受診をすべきかの判断基準を解説し、受診時に伝えるべき情報についてもご紹介します。

 

自宅で様子見/受診/救急の判断基準

自宅で様子見を続ける場合は、まず症状の進行具合に注目します。
以下のような症状が現れた場合には受診を検討しましょう。

  • 脱水症状(口の渇き、尿量の減少、顔色が悪い)
  • 症状が長引く場合(3日以上続く場合)
  • 高熱が続く場合(38度以上の発熱が48時間以上続く)
  • 血便が出る場合(鮮血、または黒い便)
  • 激しい腹痛(動けないほどの痛み)
  • 意識障害(目眩、ぼんやりしている、反応が鈍い)

特に小さなお子様や高齢者、妊婦の方は、体調が急激に悪化することがあるため、早い段階での対応が大切です。

 

受診時に伝える情報

受診時には、症状の詳細を医師に正確に伝えることが治療のスムーズな進行に役立ちます。
以下の情報を事前に整理しておきましょう。

  • 症状の発症時刻と経過(いつから腹痛や下痢が始まったか)
  • 食事内容や飲み物の履歴(食べた物、飲んだ物、特に生ものや外食があれば)
  • 同居家族や周囲の症状(家族や友人にも同じ症状があるかどうか)
  • 体温や嘔吐回数(発熱や嘔吐の有無、回数)
  • 現在服用している薬(市販薬や内服中の薬があれば、その内容)

 

家庭内感染を防ぐポイント|トイレ・吐物処理・復帰目安

トイレ掃除

感染性胃腸炎(お腹の風邪)は、ウイルスや細菌が非常に高い感染力を持っているため、家庭内での感染拡大を防ぐことが重要です。
家庭内でできる感染防止の基本と、トイレやタオルの分け方、登校・出勤の再開目安について解説します。

 

手洗い・消毒

感染性胃腸炎は、ウイルスや細菌が便から感染することが多いため、手洗いと消毒が最も効果的な予防策です。
特に、トイレ後や食事の前後、便や嘔吐物に触れた後は必ず石鹸と流水で20秒以上の手洗いを行い、アルコール消毒を併用すると良いでしょう。
家族全員がこの習慣を守ることで、感染拡大を大きく防げます。

 

トイレ・洗面・タオルの分け方

家庭内で感染を広げないためには、トイレや洗面所を共有する際の工夫が必要です。
感染者用の専用タオルやトイレブラシを用意し、感染者が使ったものは他の家族が使わないようにしましょう。
また、トイレや洗面所の消毒をこまめに行い、感染者と他の家族が接触する頻度を減らすことが大切です。
トイレを使った後は、手洗いの徹底だけでなく、トイレ内のドアノブや便座、シンクなどもアルコールや次亜塩素酸で拭き掃除をしましょう。

 

登校・出勤の再開目安

感染性胃腸炎の症状が改善した後でも、感染拡大を防ぐために登校や出勤を控えることが重要です。
症状が完全に治まってから、少なくとも48時間経過してから復帰することをおすすめします。
これにより、感染が他の人に広がるリスクを減らすことができます。
特に、食品を扱う業務や高齢者・子どもが多い施設で働いている場合は、症状が完全に回復してから復帰するようにしましょう。
また、復帰後も手洗いや消毒を徹底し、感染防止を意識することが大切です。

 

吹田市で感染性胃腸炎(お腹の風邪)や腹痛・下痢でお困りの方は「いしかわクリニック」へ

当院では、患者様一人ひとりに寄り添い、症状に応じた適切な診断と治療を行います。
お腹の風邪は時に重症化することもありますので、軽い症状のうちに早めにご相談いただくことで、迅速に回復をサポートいたします。
まずは、お電話またはWEB予約で、お気軽にご来院ください。

 

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