2026/10/06
吹田市江坂にある【いしかわクリニック】です。おしりに出血や痛みがあると、「痔だろうか」「でも受診するのは恥ずかしい」と、なかなか相談できずに悩む方は少なくありません。痔は日本人にとても多い病気ですが、症状の出方は種類によって異なり、なかには大腸の病気が隠れていることもあります。この記事では、痔の主な症状を種類別にわかりやすく整理し、大腸がんとの見分け方や、受診を考える目安までをご説明します。ご自身の症状を確認する手がかりとしてお役立てください。
そもそも痔とはどんな病気か|起こる仕組み

痔とは、肛門やその周囲に起こるトラブルの総称です。肛門は、便を出すときにゆるみ、ふだんはしっかり閉じておくために、細かい血管や粘膜、筋肉が集まった繊細な構造をしています。この部分に強い負担がくり返しかかると、血管がうっ血して腫れたり、皮膚が切れたり、細菌が入り込んだりして、さまざまな症状が現れます。
負担がかかる代表的なきっかけが、便秘や下痢、長時間座り続ける姿勢、排便時に強くいきむ習慣です。妊娠・出産や、加齢による筋力の低下が関係することもあります。つまり痔は特別な人だけがなるものではなく、生活習慣の積み重ねで誰にでも起こりうる身近な病気です。まずは「どのタイプの症状なのか」を知ることが、対処の第一歩となるでしょう。
痔の種類別の症状|いぼ痔・切れ痔・痔ろうの違い

痔は大きく3つのタイプに分けられ、それぞれ症状の出方が違います。ご自身のおしりの状態がどれに近いかを知ると、受診の判断もしやすくなります。ここでは代表的な3タイプを、症状の特徴とあわせてご説明します。
いぼ痔(痔核)の症状
いぼ痔は、肛門の血管がうっ血して、いぼのように腫れる状態です。肛門の内側にできる内痔核と、外側にできる外痔核があります。内側にできるタイプは痛みを感じにくく、排便時に鮮やかな赤い血が出たり、進行すると排便のときにいぼが肛門の外へ出てくる(脱出)ことがあります。一方、外側にできるタイプは、血のかたまりを伴うと急に強く腫れて痛むことがあります。「痛みはないのに出血する」「排便のときに何か出てくる」といった症状は、いぼ痔でよくみられます。
切れ痔(裂肛)の症状
切れ痔は、かたい便や勢いのある下痢などで肛門の皮膚が切れてしまう状態です。特徴は、排便時とその後に続く鋭い痛みで、紙に付く程度の少量の出血を伴うことが多くみられます。痛みが強いと排便を我慢しがちになり、便がさらにかたくなって切れやすくなる、という悪循環に陥ることも少なくありません。くり返すうちに傷が慢性化し、治りにくくなる場合もあります。「排便のたびにヒリヒリ痛む」「拭くと少し血が付く」ときは、切れ痔が疑われます。
痔ろう(あな痔)の症状
痔ろうは、肛門の内側と外側の皮膚との間にトンネルのような管ができ、そこから膿が出る状態です。前段階として、肛門のまわりに膿がたまって腫れ、熱をもってズキズキと痛み、発熱を伴うこともあります(肛門周囲膿瘍)。膿が出ると痛みは一時的に和らぎますが、管が残ると膿がくり返し出るようになります。痔ろうは市販薬では治らず、多くは手術による治療が必要です。強い痛みや腫れ、発熱を伴うときは、早めに医療機関へご相談ください。
症状からわかる痔のセルフチェック|出血・痛み・腫れ・かゆみ

痔の症状は、出血・痛み・腫れや脱出・かゆみといったサインに整理できます。以下は、ご自身の状態を振り返るための目安です。ただしこれはあくまで手がかりであり、確定的な診断ではありません。当てはまるものが多い、または症状が続く場合は、自己判断せず受診をご検討ください。
- 排便のときに鮮やかな赤い血が出る、紙に血が付く
- 排便時やその後に、肛門がヒリヒリ・ズキズキと痛む
- 肛門にいぼのようなふくらみがあり、指で触れる/排便時に何かが出てくる
- 肛門のまわりが腫れて熱っぽく、押すと痛む
- 肛門のまわりがかゆい、じくじくして下着が汚れる
これらのうち、痛みのないタイプはいぼ痔、鋭い痛みと少量の出血は切れ痔、腫れ・発熱・膿は痔ろう(肛門周囲膿瘍)を疑う手がかりになります。判断に迷うときは、症状のメモを持って当院までご相談いただくと、診察がスムーズです。
痔の出血と大腸がんの見分け方|危険なサイン

おしりからの出血で最も注意したいのは、痔だと思い込んで、大腸や直腸の病気を見逃してしまうことです。痔の出血と、大腸がんなどによる出血には、傾向の違いがあります。ただし色や状態だけで確実に区別することはできないため、あくまで受診を判断するための目安として捉えてください。
一般に、痔の出血は排便時に肛門から出るため、鮮やかな赤い血であることが多いとされています。一方、便に暗い赤色や黒っぽい血が混じる、便の表面に血がまとわりつく、粘液の混じった血が続く、といった場合は、大腸や直腸からの出血の可能性も考えられます。また、出血に加えて、便が細くなる、便秘と下痢をくり返す、体重が減る、といった変化があるときは注意が必要です。こうしたサインがあるときは、痔と決めつけずに検査を受けることが大切です。当院では大腸内視鏡検査(大腸カメラ)を行っており、出血の原因を実際に確認したうえで判断できます。
お腹の症状を伴う血便については、大人の血便の原因と受診の目安もあわせてご覧ください。
痔を放置するとどうなるか|悪化・慢性化のリスク

痛みや出血が軽いと、つい様子を見てしまいがちですが、痔は放置すると悪化・慢性化することがあります。いぼ痔は、進行すると排便のたびにいぼが出てくるようになり、押し込まないと戻らない、あるいは戻らなくなる段階まで進むケースもみられます。切れ痔もくり返すうちに傷が硬くなり、肛門が狭くなって、治療が難しくなる場合があります。
痔ろうは自然に治ることはほとんどなく、放置すると管が枝分かれして複雑になり、手術の負担が大きくなることも少なくありません。「そのうち治るだろう」と我慢を続けるより、症状が軽いうちに原因を確かめておくほうが、結果的に体への負担は小さく抑えられます。気になる症状があるときは、早めにご相談ください。
女性が痔になりやすい理由と症状の傾向

痔は男性の病気というイメージを持たれがちですが、実際には女性にも多くみられる病気です。女性が痔になりやすい背景には、いくつかの理由があります。ここでは、女性ならではの要因を整理してご説明します。
まず、女性は便秘になりやすい傾向があり、かたい便による切れ痔や、いきみによるいぼ痔が起こりやすくなります。加えて、妊娠中は大きくなった子宮が肛門周囲の血管を圧迫し、出産時の強いいきみも重なって、痔ができたり悪化したりすることがあります。デスクワークなどで長時間座り続ける生活も、うっ血の原因になります。「恥ずかしくて相談しにくい」と感じる方も多いのですが、肛門の診察はプライバシーに配慮して行いますので、ひとりで抱え込まず、気になる症状は早めにご相談ください。
痔を防ぐ生活習慣|症状を悪化させないために

痔の予防と悪化防止には、肛門への負担を減らす生活習慣が欠かせません。すでに症状がある方も、日々の工夫で悪化を防ぎやすくなります。無理のない範囲で取り入れてみてください。
基本となるのは、便秘や下痢を防いで、やわらかい便をスムーズに出せる状態を保つことです。食物繊維と水分を意識してとり、決まった時間にトイレに行く習慣をつけると、いきみすぎずに排便しやすくなります。排便時に長くいきんだり、スマートフォンを見ながら長時間座り続けたりするのは、肛門に負担をかけるため避けましょう。デスクワークの合間に立って体を動かす、体を冷やさない、入浴でおしりを温めて血行をよくする、といった習慣も役立つでしょう。当院では、症状に応じて排便や生活習慣のアドバイスも行っています。便秘が気になる方は、便秘外来もご利用いただけます。
痔の受診の目安|市販薬で様子を見てよいか

軽い痔であれば、市販の塗り薬や座薬で症状がやわらぐこともあります。ただし、市販薬で対処してよいのは、症状が軽く一時的な場合に限られます。市販薬を使っても改善しないときや、症状をくり返すときは、痔ではない病気が隠れていることもあるため、受診をご検討ください。
とくに次のような場合は、早めの受診をおすすめします。出血が続く・量が多い、便に暗い色の血や粘液が混じる、強い痛みや腫れ・発熱がある、いぼが戻らない、市販薬を1〜2週間使っても改善しない、便が細くなるなどお腹の症状を伴う、といったときです。自己判断で放置せず、原因をはっきりさせておきましょう。判断に迷うときも、当院までお気軽にご相談ください。
肛門科での診察と検査の流れ|当院の対応
「どんな診察をされるのか不安」という声をよくいただきます。当院では、患者様が安心して相談できるよう、プライバシーに配慮しながら診察を進めています。ここでは、一般的な診察と検査の流れをご紹介しましょう。
まず問診で、いつからどんな症状があるか、出血や痛みの様子、排便の状態などを伺っていきます。続いて、肛門やその周囲の状態を目で確認する視診と、指で状態を確かめる触診を行い、必要に応じて肛門鏡という器具で肛門の内側を詳しく観察します。出血の原因が肛門だけでは説明しきれない場合や、大腸の病気が疑われる場合には、大腸内視鏡検査(大腸カメラ)で腸の中を直接確認します。診察は短時間で終わることが多く、無理のない範囲で進めますので、気になることは遠慮なくお伝えください。
よくある質問
痔は自然に治りますか?
軽い切れ痔などは、便通が整うと落ち着くこともあります。ただし、いぼ痔の進行したものや痔ろうは自然には治りにくく、放置で悪化することがあります。症状が続くときは受診をおすすめします。
おしりから出血していますが、痔だと思って様子を見て大丈夫ですか?
出血の原因が痔とは限らず、大腸や直腸の病気が隠れていることもあります。とくに暗い色の血や粘液が混じる、出血が続く場合は、自己判断せず一度検査をお受けください。
診察は恥ずかしくないですか、負担は大きいですか?
視診・触診が中心で、多くの場合は短時間で済みます。プライバシーに配慮して行いますので、不安な点は事前にお伝えいただければ、できる限り配慮しながら診察を進めます。
吹田市江坂で痔の症状にお悩みの方は【いしかわクリニック】へ
おしりの出血や痛み、腫れといった症状は、痔であることが多い一方で、大腸や直腸の病気が隠れていることもあります。恥ずかしさから相談をためらううちに悪化してしまうこともあるため、気になる症状があるときは、早めに原因を確かめておくと安心です。当院は内科・消化器内科・肛門科を診療しており、大腸内視鏡検査にも対応しています。吹田市江坂でおしりの症状にお悩みの方は、どうぞお気軽に【いしかわクリニック】へご相談ください。